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人気ランキング
★人気ランキングをベスト100位まで紹介しています
最終更新:2017/02/28(Tue) 03:12

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第1位 -> 1pt
隠蔽捜査 (今野 敏)
 警察小説の魅力は、サスペンス、ミステリーの要素があるのはもちろんのことですが、個人対組織というものがストーリーの重要なテーマになっている場合が多い。組織と言っても煎じ詰めると人の集まりであり、結局は人と人の関わりと言うものに収斂されるかもしれない。そもそも人間は社会的動物であると言われています。 警察小説では、それが際立つためにあるいは際立った背景を有するために、読み手は深いインパクトを受けるのではないかと思います。
 そうして、警察小説ではよくあるシチュエーションとして現場の目線から見た、「キャリア官僚」との対立・葛藤が取り上げられことが良くあります。ところが、この小説は「キャリア」の目線でしかも「キャリア」対「キャリア」の葛藤がストーリの主線を成しています。この設定自体が新鮮で、あまり意識することがなかったキャリアの心情とその行動に、私はすっかり惹きつけられてしまいました。
 物語は、竜崎信也というキャリア官僚が主人公になっています。彼は家庭のことはいっさい顧みないような、仕事一筋の、一般の人間からみたら少々食えないような男ですが、彼には官僚にたいする強い信念とキャリアとしての矜持がありました。
 そうしてこの物語の中にもう一人の重要な役割を担う伊丹という男が登場します。彼は竜崎の小学校時代の同級生で同じキャリア官僚です。しかし、彼らは決して仲の良い友人などではなかった。竜崎は、過去のある出来事から伊丹に対して屈折した思いを抱いていた。この二人を軸に物語は進んで行きます。
 物語はある殺人事件から始まる。被害者は暴力団組員だった。だが同じく拳銃による第二の殺人が発生し、そうして凶器は違うが第三の殺人事件が発生する。当初、暴力団の抗争によるものかと思われたが、思わぬ共通点があきらかとなる。三人の被害者はいずれも十年前の少年犯罪の加害者だった。その事件は女子高校生が凌辱目的で誘拐され、挙句の果てには殺害されるという悲惨なものだった。だが、加害者たちは少年だったために重い刑を受けることはなかった。
 そうして、捜査の進展とともに思わぬ容疑者が捜査線上に浮かぶ。あろうことか容疑者は現職の警察官だった。
 そんな折、竜崎は息子の邦彦がヘロインを使用していることを知る。彼は自分が積み上げてきたものを全て失うことになるかもしれないと思い、絶望にとらわれる。
 更に、警察の上層部が殺人事件の隠ぺいを図ろうとしていることを知って、竜崎の苦悩は二重に深まる。
 しかし彼は、悩んだ末に自分の信念に従って行動することを選択する。
[分野:推理・ミステリー] [形式:長編小説] [雰囲気:シリアス] [キャッチフレーズ:おすすめ] [対象:全般]
更新日:2013/04/14(Sun) 06:57 [修正・削除] [管理人に通知]  
投稿者:かごめ 
第1位 -> 1pt
見知らぬ妻へ (浅田次郎)
 好きな作家で紹介せずにいられないひとりに浅田次郎氏がおります。これからこのコーナーで紹介していきたいと思う氏の長編小説がいくつかありますが、氏はまた短編小説の名手でもあります。今回は敢えて短編小説集のなかから一冊をご紹介します。
 『見知らぬ妻へ』は新宿歌舞伎町で、地を這うように生きている主人公がふとしたいきさつから中国人女性との偽装結婚を請け負ってしまうことになる。そうして顔も知らない彼女にすこしずつ心惹かれていく。日常の中の清明な時間。しかしその結末は、決して幸せなことになるはずはなかった。
 ひとの心の優しさ、切なさの余韻の残る作品です。
 <表題作を含む八編>
[分野:現代・社会] [形式:短篇集] [雰囲気:切ない] [キャッチフレーズ:おすすめ] [対象:成年向け]
更新日:2012/07/23(Mon) 13:52 [修正・削除] [管理人に通知]  
投稿者:かごめ 
第1位 -> 1pt
優駿 (宮本輝)
 宮本輝氏は私の大好きな作家の一人で彼の小説は良く読みます。今回は氏の数ある作品の中から『優駿』を紹介しようと思います。
 まずそのタイトルから競馬に関わる小説であることは容易に想像がつくのではないかと思います。しかし、私は競馬はまったくやりませんし競馬場に足を運んだこともない門外漢です。でもそんな私でもまったく何の抵抗も苦労のようなものもなくこの小説の物語の世界に引きこまれてしまいました。
 北海道のある小さな牧場で生まれた『オラシオン』という馬を中心として、少しばかり気の強い女主人公久美子はじめ様々な人間がこの物語に関わってきます。登場人物のそれぞれの思惑と欲望、それにまつわる恋愛模様。
 先程もふれましたが題名だけから言うと、ちょっと毛色の変わった物語と思うかもしれませんが、意外と思えるほど良い意味でのスタンダードな小説ではないかと思います。骨太のストーリーに魅力的なキャラクター達。例えが適当かどうかはわかりませんが、この作品は野球で言うなら直球ど真ん中勝負、読後にはそんな満足感というかカタルシスさえ感じさせてくれます。
[分野:現代・社会] [形式:長編小説] [雰囲気:シリアス] [キャッチフレーズ:珠玉の一品]
更新日:2012/07/12(Thu) 10:51 [修正・削除] [管理人に通知]  
投稿者:かごめ 
第1位 -> 1pt
切羽へ (井上 荒野)
 甘くない恋愛小説。ひとことでこの小説を表現しようとするとこうなるのでしょうか? よくコーヒー(珈琲と書いたほうがこの場合は適切でしょうか)は大人の飲み物だといわれることがあります。初めて珈琲を飲んでその苦さに驚いた記憶はありませんか。
 しかし、大人になってその良さを知ると何にも代えがたいもののように思われます。決して派手なストーリー展開や、あまあまな場面に出くわすわけではありませんが、不思議に心を惹きつける作品です。
 小説は面白くなければ小説ではない、は私の持論です。つまりストーリーということですね。しかし、ストーリーがすべてではないこともご理解いただけると思います。小説が文章というものでつくられている以上その文章のもつ雰囲気、リズム感、情感といったものは私たちを楽しませてくれる大きな要素です。
 この作品を読んでみてまず気のついたことは、文章がとても美しいということです。それは、なかなかお目にかかれそうでお目にかかかれない――そのように感じさせられました。まるで恋に恋する乙女? が、思いもかけず憧れの君に出会った思いです。
 物語は、島に住む夫婦と島を訪れてきた男との出会いから始まります。やさしい夫を大切に思いながらも妻は着任してきたその同僚の教師に心惹かれてゆきます。超えてはならない堰のはずだったのに、水が低目に流れるように彼女の恋はのっぴきならない所まで進んで行きます。
 美しい島の風景を背景に、狂おしい恋に揺れる切ない心が静謐に描かれてゆく……
 なお、この小説は第139回直木賞受賞作です。

<切羽とは、それ以上先へは進めない場所のこと>
[分野:ラブロマンス] [形式:長編小説] [雰囲気:シリアス] [雰囲気:切ない] [キャッチフレーズ:おすすめ]
更新日:2012/08/29(Wed) 14:34 [修正・削除] [管理人に通知]  
投稿者:かごめ 
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