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連作小説

[カテゴリ別]: 人気ランキング   1 - 3 ( 3 件中 ) 
わくらば日記 (朱川湊)
 つい「私の好きな作家の……」と書きたくなる私ですが、朱川湊氏は私の好きな(読みたい)物語を書いてくれる作家のひとりです。
 この物語では「ノスタルジックな昭和の風景、人の心の優しさ、暖かさ、悲しさ、生きるということの苦しさ、切なさ、はかなさ、そして心を惹きつける不思議な出来事」そんな様々な想いがいっぱい詰まった朱川ワールドというものに出会えます。
 やさしく美しい姉とその妹の姉妹が出会う様々な事件。じつは姉には人や物の体験したことを読み取る不思議な能力があって、ある経緯から警察からもあてにされるようになります。だが、その能力故に姉は苦しい思いに心を痛めてしまう。
 成人した妹の目線で語られるその連作短編集は、姉が薄命だったことがさりげなく触れられていていっそう物語の雰囲気が切なく感じられます。
 様々な人物が登場し、姉妹との関わりの興趣がつきません。物語の進行が話の終わりに向かっていくと意識するだけでもいとおしいひとときを過ごしていることに改めて気付かされます。
 なおこの本の表紙の絵がとても素敵です。この物語の雰囲気を表していて、きっと手にとりたくなる一冊だと思います。続編も出ていますが、これまたおすすめです。
更新日:2012/07/31(Tue) 16:25 [修正・削除] [管理人に通知]   投稿者:かごめ 
イン・ザ・プール (奥田英朗)
 何とも愉快、痛快、面白いというのがこの小説を形容するに相応しい言葉かと思います。
 色白でデブでマザコンでおまけに注射フェチのとんでもない精神科医、伊良部一郎が出演するエンターテイメントノベルです。各話に登場する主人公たちがこれがまた変わっております。プール依存症だったり、陰茎強直症、自意識過剰症、強迫観念症とまあ病名はさておいて、いささか問題のある面々。本人にとっては悲劇でしょうが、はたからみている者には妙な可笑しさがこみ上げてきます。
 彼らの病気を治すべく伊良部医師が奮闘するのですが、とにかく行動がハチャメチャ支離滅裂な彼のこと、その展開は読者の想定外のところへと突っ走っていきます。
 しかし読み終わった後、面白かっただけではなくて、人の心の優しさや気使いも感じたり、ちょっとばかり伊良部医師は良い奴だなと共感している自分がいます。
 なおこのシリーズ第2作『空中ブランコ』は直木賞を受賞しています。
更新日:2012/07/18(Wed) 20:02 [修正・削除] [管理人に通知]   投稿者:かごめ 
東山殿御庭 (朝松健)
 前にも申し上げたことですが、私はホラーとかいわゆるグロい系統は苦手であります。今回紹介する小説は帯の「宮部みゆき氏絶賛」という文言に魅かれ、勝手にミステリー系だろうと思い込んで(装丁がこれまたそんな雰囲気だったもので)読み始めたわけです。これは室町時代が舞台で一休師が主人公の連作小説です。
 その第一編目の『尊氏膏』から度肝を抜かれてしまいました。とにかくキーワードは苦痛、恐怖、狂気 etc.といったところでしょうか。読み進めるうちに「おいおい」という展開になってゆくのですが、結局短編ということもあり読み終えてしまいました。
 そうすると怖いもの見たさというのか、とどまるところを知らず一気呵成に残りの四編を読み切ってしまいました。
 こういう小説は時にあらすじを紹介しないほうがより楽しんでいただけるのではないかと思います。それぞれの私の読後感を付記しますので、心の準備を整えて読んでいただければ幸いかと思います。

『尊氏膏』・・・結構グロいが、もちろんそれがゆえの魅力あふれる作品です。こわいのもこれが一番。
『邪笑う闇』・・・恐怖とか謎というものは不思議と人の心を惹きつけるものです。
『ずい』・・・タイトル自体に謎が秘められています。かなりキモい。私としては一番、後ひきました。
『応任黄泉図』・・・とてもスピード感あふれるまさに伝奇小説ですね。
『東山殿御庭』・・・心地よい恐怖とでも言いますか、私の好きなタイプの作品です。

なお上記タイトルは、一部略記表示してありますのでご了承ください。
更新日:2012/12/21(Fri) 10:53 [修正・削除] [管理人に通知]   投稿者:かごめ 
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